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【解説編】

| ガラスの種類 | フィルムの効果 | 各種機能の基礎知識 | 施設用途別フィルム早見表 |

ガラスの種類

普通ガラス

普通ガラス透明な素通しと表面をザラザラに加工した消しがあり、厚みは2、3、5、6ミリ。薄いほど軽いが、古いものは特に割れやすい。割れた場合には鋭利な切片が数多く発生する。

●フィルム活用ポイント

飛散防止や防犯フィルムを貼れば、地震でもガラスの飛散がなくなり安心できるガラスになります。

型ガラス

型ガラス模様が入っていてガラス越しに向こう側が見えないガラスで、厚みは2、4、6ミリ。石目とカスミがある。割れ方は普通ガラスと同じだが、普通ガラスより割れやすい。

●フィルム活用ポイント

普通ガラスに、目隠しフィルムを貼れば、型ガラスと同等の効果が得られます。しかも割れ難く、凸凹がないので掃除しやすいガラスになり、割れても飛散しないので安全です。

ペアガラス

ペアガラス2枚の普通ガラスの間に断熱のための空気層(または真空層)を設けたもので、一般的には軽くするために3,4mmガラスを使用する。冬季に室内ガラス表面温度が下がらないので、コールドドラフトや結露防止に有効。

●フィルム活用ポイント

結露防止に関してはペアガラスに勝るものはありませんが、さらに安心できるガラスにするために、飛散防止フィルムや防犯フィルムで強化する必要があります。また遮熱性能があるフィルムにすれば、窓からの熱負荷を年間通じて軽減できます。

合わせガラス

合わせガラス普通ガラスの間に樹脂(ブチラール)を挟んだもので、用途により多種の厚みがあり、防犯ガラスもこの一種。ブチラールは可燃性。ガラスを二重に使うため重くなるが、割れてもガラスが飛散しにくい。

●フィルム活用ポイント

合わせガラスは最も強いガラス素材です。防犯フィルムでさらに補強すれば、より安心です。さらに遮熱や目隠しなどの機能フィルムにすれば、複合用途の素晴らしいガラスになります。防犯フィルムなど厚みのあるフィルムはガラス面の振動を抑制するので、遮音効果も高くなります。

網入りガラス

網入りガラス耐火用に金網が入ったガラスで、厚みは6.8ミリ。金網は細いため防犯用途にはならない。またガラス内に金属があるため、ガラスが割れやすく、熱割れなどの原因になりやすい。ガラスが割れた場合のガラス飛散量は比較的少ない。

●フィルム活用ポイント

ガラスの飛散が少ない網入りガラスですが、防犯フィルムとの組み合わせで、防火・防犯性能の高いガラスになります。

強化ガラス

強化ガラスふつうのガラスを約700度に加熱し、急冷したもので、ふつうの板ガラスに比べて3倍から5倍の強度があるが、表面の一部に傷が入ると前面が一瞬にして破損するため、防犯用途には適していない。割れた場合、破片は粒状になる。一般的には厚みは5ミリ、6ミリで、ビルなどの大きなガラスは厚く重い。

●フィルム活用ポイント

強化ガラスはPL法への対応としてメーカーで飛散防止フィルムを貼っている場合があるほど、フィルムは必須です。強化ガラスはほとんどがオーダー製品のため、防犯フィルムと組み合わせ、許容応力の高い割れ難いガラスにした方が将来的にも安心です。またその用途上遮熱フィルムとの組み合わせが有効です。

フィルムの効果

防犯

防犯フィルム認定試験
防犯フィルム認定試験
CPマーク
防犯認定証(CPマーク)

犯罪の手口は建材の中でもっとも弱いガラスに集中しています。住宅では空き巣の約7割がガラスを破っての侵入です。防災は無論のこと、防犯ではより強い耐貫通性が求められており、我が国内では「官民合同会議」の防犯性能試験により防犯認定フィルムが規定されています。また防犯フィルムは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の住宅性能表示の防犯性能基準にも採用されています。

飛散防止

地震を想定した フィルムの層間変位破壊試験
地震を想定した
フィルムの層間変位破壊試験

ガラスが砕けたときにできるガラス片は非常に危険ですが、飛散防止フィルム加工してあれば、ガラスが粉々になってもフィルムに密着し、飛び散りません。飛散防止性能試験JIS A 5759には、ガラス面に物体が衝突した場合の安全性に関するA法(衝撃破壊試験)と、地震などによりガラスが歪んだ場合の安全性に関するB法(層間変位破壊試験)とがあります。

衝突防止

出入り口の衝突防止フィルム施工例
出入り口の衝突防止フィルム施工例

大型ガラスが多く採用されるに伴い、それが原因となる出入り口、ガラス開口部への衝突事故が多く発生しています。このため国土交通省より「ガラスを用いた開口部の安全設計指針」が通達されて、ガラス開口部への人体衝突による傷害事故を防止に努めています。事故を軽減するためは飛散防止フィルムが効果的ですが、ガラスの良さを損なわずガラスを意識させるためのデザインフィルムを目線に貼り未然に防ぐことも重要です。

結露防止

冬季の熱負荷の多くは室内と屋外の温度差による熱伝達によります。室内側のガラス表面温度を下げ、飽和水蒸気が水滴に変わり結露が発生します。これを防ぐにはガラスに熱抵抗をもたせるか、熱エネルギーを与える必要があります。フィルムは熱抵抗の大きな素材で、フィルムによっては結露を若干遅らせることはできますが、非常に薄いため結露を完全に防ぐことはできません。

インテリア、エクステリアとして

浴室など一部を除いて「窓は透明」という概念が一般的ですが、室内の壁紙を変えるように、ライフスタイルに応じて窓に色をつけたり、デザインしたりすることは個性的な生活をより豊かにします。フィルムの種類も多種多様化、窓ガラスもインテリアの一部として気分に応じて模様替えの時代です。

デザイン

デザイン

外から家の中を見えなくしたい。都市型の生活では「窓の中は緑ではなく、隣の家」が普通です。何も見えないのもいやだけど、全ては見たくない・・・こんな窓も多いはず。目線の部分はデザインフィルムで淡く遮り、空はくっきり見える。またはある角度だけ見える。こんなこともフィルムで可能です。視界を防いだり、ガラスに変化を持たせたり、ニーズに応じて窓をデザインする時代になってきました。

まぶしさを防ぐ

まぶしさを防ぐ遮熱フィルムは熱線を抑え、体感的にまぶしさが軽減されたように感じます。硝子の透明性が必要なければ、可視光線を抑える目隠し(デザイン)フィルムがより有効です。目隠しフィルムは、窓際の眩しさを軽減し、室内の照度のアンバランスを解消、室内光環境を改善します。

蛍光灯の輝度抑制

照明は生活必需品のひとつですが、フィルムを使って目的により近づけることが可能です。たとえば蛍光灯は輝度の差や、老化現象から色むらが起こりますが、目隠しフィルムで光を拡散することにより、全体を均一な光に近づけ、よりグレードの高い照明が可能となります。

紫外線カット

皮膚がんの発生など、人体への悪影響が非常に大きいとされる紫外線。建物のガラス開口部を透過する太陽光の紫外線は、家具やカーペット、カーテン、商品などの退色の原因にもなります。紫外線防止フィルムはこの紫外線を大幅にカットします

汚れ防止

汚れ防止ガラスの汚れを防止するフィルムには2つの考え方があります。
ひとつは汚れを紫外線で分解する光触媒方式、もうひとつは捨てバイザーです。
光触媒は太陽の紫外線で、強力な酸化力を発生させ、有機物を分解除去します。捨てバイザーは、汚れたら剥がして捨てるというフィルムの新しい手法です。前者は看板や人の手が触れない窓などに利用され、後者は即効性が必要なレーシングカーのフロントガラスなどに利用されています。

樹脂を守る

ポリカーボネイトは安くて強く割れにくいため、一般建築材料として市場も確立し今後ますますの需要増加が見込まれます。欠点としては、当初はガラス同等に高い透明度も、時間とともに表面の細かい傷つきにより見難くなることで、ハードコート仕様にしても高価で、屋外では耐久性が短く効果があまり期待できないと言われています。
場所によっては透明度の低下は顧客サービスの低下や安全性の低下につながる重要な問題となっています。ポリカーボネイト用の保護フィルムは、ポリカーボネイト製品の磨耗を防ぎ、寿命を倍にします。
レーシングカーの一部はフロントガラスにポリカーボネイトが使われていますが、これをさらにフィルムが保護しています。この他、列車や工場などに使われており、この分野は今後大きく広がって行くと予想されています。

各種機能の基礎知識

フィルムによる対貫通性強化の法則

汚れ防止弊社の破壊実験の結果から、ガラスの強度に関して以下のことがわかっています。

  1. フィルムをガラス片面に厚くするより、両面貼りのほうが耐貫通性が高い。
  2. ガラスを厚くするより、フィルムを厚くした方が耐貫通性が高い。
  3. 大きく凸凹した型板ガラスでは、強度が出ない(フィルムとガラスが密着せず、その部分の強度が落ち耐貫通性が落ちる)。

ガラス割れ防止のメカニズム

ガラス割れ防止のメカニズム防犯フィルムは耐貫通性が高い上、ガラスの飛散を防止しますが、さらにガラスが割れ難くなるという効果があります。ガラスは外力を受けると反対側の部分が引っ張られて割れますが、フィルムはガラスの引っ張られる部分を押さえ、割れ難くさせます。

西日を防ぐ

西日を防ぐ窓ガラスは大きな冷暖房負荷比率(エネルギー消費量)を占めます。特に西日は通常最大熱負荷になり、西日を遮光することは最大負荷(西日16時では約500kcal/h・u)を低減することにつながるため、暑さ対策ばかりでなく冷房や電源の設備低減にもなります。
ガラスに「遮熱フィルム」を貼ることは、環境負荷軽減(省エネ)効果が大きく、また季節への対応が安く簡単にできるメリットがあります。

暑さを防ぐ

暑さを防ぐ夏の場合、太陽からの光は窓ガラスにあたって一部は反射し、一部は熱拡散し放熱してしまい、残った部分が室内に到達し、熱が発生します。
窓にフィルムを貼ることによって、室内に到達する熱線を反射方式または吸収方式により低減し、省エネルギーならびに室内環境改善に効果的です。具体的には室内に入る電磁波に近い赤外線領域の波長をコントロールします。

寒さを和らげる

寒さを和らげる冬は、反射率が高くなる分、光が入りにくくなり、ダイレクトゲインが減少することが考えられます。
しかし、暖房負荷が大きくなるのは日が射す好天の日中ではなく、天気の悪い日や夜間ですので、ウィンドウフィルムを装着することによって窓から逃げる熱を吸収し、暖房負荷も低減します。

電磁波シールド効果

電磁波シールド効果電磁波は私たちが快適に生活するためにあらゆるところに使われていますが、一方では電磁波による情報セキュリティリスク、人体への影響、その他サービス業務などへの支障が出ています。
電磁波を最も通しやすい窓ガラスで電磁波の透過をコントロールするということが求められます。
電磁波には、対象とする機器固有の周波数があります。シールド効果は波長によって異なりますが、透明フィルムで中低周波域50dB、高周波においても20〜35dBの高いシールド性能を持っているものもあります。

防虫効果

防虫効果
防虫フィルム誘引捕獲虫比較

フィルムによる防虫は、透過する光の波長をコントロールして虫を誘引する波長の光を遮断することによって、虫を寄せ付けないという仕組です。

 

施設用途別フィルム早見表

施設種類 飛散防止 防犯 遮熱 防虫 電磁波防止 デザイン・目隠 ガラス割防止 汚れ防止 樹脂傷付防止
全ての施設の窓 住宅、オフィス、重要部屋 全ての施設、車両等 病院、レストラン、工場 病院、コンピュータ室、老人ホーム、スタジオ等 全ての施設の目的とする窓 レーシングカー、重機等 レーシングカー、列車、船、バス等 全てのポリカ製品
住宅・寄宿舎・寮        
オフィス      
コンピュータセンター        
劇場・ホール・遊戯施設          
レストラン・飲食店        
 同上バックヤード            
百貨店・マーケット・展示場        
旅館・ホテル        
病院      
 同上バックヤード            
老人ホーム・介護施設・児童福祉施設      
保育園・幼稚園・学校        
図書館・博物館・美術館        
スポーツ施設        
駅・空港施設        
神社・寺院・教会            
工場          
スタジオ              
自動車              
レーシングマシーン          
重機                
           
列車            
バス・トラック              
看板・ミラー                
ショーウインドウ                
遮音板                
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